妊活力アップのための体づくり

授かるための方法は?

不妊治療は受精の確率を高める治療で、タイミング法から人工授精まで色々な種類があります。

不妊の原因となる要素は、女性側だけでなく男性側にもあります。状況や問題に応じて治療方法は様々。現在日本で行なわれている不妊治療の種類や治療方法について解説しています。

タイミング法で排卵日に合わせて赤ちゃんを授かる

排卵のタイミングに合わせて性交する方法なので、自然な状態で赤ちゃんを授かりたい!という方は安心して取り組めるでしょう。

月経周期と基礎体温のデータから、女性の身体のリズムを調べて、医師が排卵予定日を割出します。基礎体温をつけていれば、自分でも排卵日のチェックができますが、より確率を高めるには、医師の正確な診断が欠かせません。タイミング法では、卵胞やホルモンの状態を見ながら予測するので正確な妊娠予測ができ、妊娠の可能性が高くなります。

タイミング法がどのように行われるかを紹介しましょう。

まず、毎朝基礎体温を測り、基礎体温表を付けておきます。その後、排卵検査薬などを活用して自分で排卵日を調べるか、基礎体温表を病院へ持ち込み、先生により正確な排卵日を診断してもらいます。この際、正確に基礎体温が測れているかどうかが重要なポイントになります。

排卵日は、卵胞の大きさを観察することによって正確な日にちを予測することができるので、毎朝基礎体温を測り、排卵予定日が近づいてきたら、週に1~2回のペースで超音波検査による卵胞の生育状態を観察します。

これを2~3ヶ月続けると、自分の生理周期がある程度視覚化されて、タイミングが計りやすくなります。

世に広く出回っている書籍などでは、排卵日は最低体温日と同じとされていることが多いですが、昨今の医療技術の向上により、時間単位での予測が可能になったため、必ずしも最低体温日に排卵が起こるわけではなく、その翌日の方が頻度が高いということがわかってきたそうです。

おおよその頻度は、最低体温日前日5%、当日22%、翌日(低温相最終日)40%、翌々日(高温相初日)25%です。そして、排卵日前日から排卵後3日までの5日間は最も妊娠しやすいといわれているため、この5日のうちに性交を持つと妊娠の可能性が高くなります。

ホルモンバランスが不安定な場合などには、薬と併用するケースも。排卵を促して妊娠率を高めるために、排卵誘発剤を服用しながら、タイミング法を試みます。

治療は健康保険が適用できるので経済的な負担が少なく、約9割のカップルが5周期程度で妊娠しているといわれています。

その他の治療法

タイミング法は、毎月1回、生理周期の排卵日に合わせて行い、そのあとに妊娠しているかどうかを確認するという作業の繰り返しです。効果が期待できるのは、半年~1年で、それ以上続けても妊娠する可能性は低いといわれているため、その後はパートナーと相談して別の治療法を試してみるのもいいかもしれません。

一般不妊治療としては、以下の5つの因子によって別の治療法があります。

1.排卵因子の不妊治療
無排卵症と呼ばれる、症状による不妊の場合の治療です。その方法はいくつかあります。
・ダイエットなどの体重調整
・排卵誘発剤の薬治療
・脳下垂体ホルモン製剤(HMG)治療
・多嚢胞卵巣症候群の治療
・視床下部ホルモン(GnRH)をポンプを用いて投与する治療
・卵巣性無排卵の治療
・高プロラクチン血症の治療
・甲状腺機能異常の治療

2.卵管因子の不妊治療
卵管異常は、女性側の原因の中で最も多くみられる症状です。卵巣から飛び出す卵子をうまくキャッチできなくなったり、卵管の中を子宮までうまく卵子を運べなくなる症状で、不妊症や子宮外妊娠となります。卵管異常の治療法は以下の通りです。
・卵管炎の治療
・子宮内膜症の治療 (偽閉経療法、偽妊娠療法)
・卵巣チョコレート嚢胞の治療 (アルコール固定、腹腔鏡下手術、開腹手術)
・卵管形成術による治療 (卵管鏡下手術、腹腔鏡下手術、開腹手術)

3.男性因子の不妊治療
・ビタミンや漢方などの薬物療法で、精子状態を改善させる治療
・少ない精子、運動率が低い精子で妊娠を期待する療法
・無精子症の治療

4.子宮因子の不妊治療
子宮筋腫やポリープなど、子宮内異常がある場合の不妊治療です。その方法はいくつかあります。
・子宮筋腫の治療
・子宮腺筋症の治療
・子宮内腔の癒着の治療
・子宮内膜ポリープの治療

5.そのほかの不妊治療
以上のもの以外の理由が考えられる不妊治療です。その方法は以下の通りです。
・黄体機能不全の治療
・経管性不妊の治療
・抗精子抗体の治療

人工授精(AIH)で精子と卵子の出会いをサポート

タイミング法では受精できなかった場合は、人工授精を試みます。医療器具を用いて精子を子宮の中に送り込むもので、一般不妊治療ではスタンダードな方法です。
治療当日、男性側はマスターベーションをして精子を採取します。キレイに洗浄してから元気なものだけを選別した後、精子を入れた管を女性の膣から子宮内部に注入します。
注入する時の痛みは少なく、その日のうちに帰宅でき、普段通りの生活が可能です。

人工授精にもっとも適しているのは、主に男性側に不妊の要因が考えられる場合です。精子自体の異常、射精障害や性交障害、機能不全などが挙げられます。特にはっきりとした問題はなくても、1日も早く赤ちゃんを授かるために行なわれる治療法でもあります。

1回あたり15,000円ほどで治療が受けられます。健康保険は適用できませんが、妊娠を強く望んでいる人はトライする価値があるでしょう。

腹腔鏡検査(ラパロ)で深い原因を探る

タイミング法や人工授精でも効果が見られなかった場合、次のステップとして腹腔鏡検査(ラパロ)をおすすめします。
お腹に小さな穴をあけ、腹腔鏡と呼ばれる器具を挿入して、腹部内腔を観察する検査です。腹腔鏡を意味する英語、「Laparoscopy」を省略して、「ラパロ」と呼ばれることもあります。手術時間は1時間~1時間半で行われる場合が多く、全身麻酔を打って行われるので、1泊程度の入院が必要となります。

検査を受けるには、現在妊娠していないことを確認してから行わなければならないため、月経終了後の低温期か、避妊した高温期のいずれかで行います。

この検査では、今までの検査では分からなかった子宮筋腫や子宮内膜症などの不妊の原因が見つかることもあり、これらが見つかった場合は、必要に応じて同時に治療を行うケースもあります。

腹腔鏡検査は、子宮内環境を妊娠しやすいように整える目的も持っており、検査の際に卵管内を洗浄し、卵管のつまりを解消させるため、卵子や精子が通りやすくなり、検査後3~6ヶ月は妊娠率が上がります。

費用は、手術と入院に保険が適用されます。検査だけを受ける場合と手術が必要な場合とで違いますが、平均的に10万円ほどで治療を受けられます。施設によって値段も違うので、事前に確認することをおすすめします。

高度生殖補助医療はより確実に赤ちゃんを授かる治療法

不妊治療の最後の砦ともいえる治療が、高度生殖補助医療です。治療には体外受精と顕微授精の2種類があります。
高度生殖補助医療が適しているカップルは、妊娠の可能性を低下させる卵管障害や排卵障害、重度の子宮内膜症、男性不妊や原因がよく分らない機能性不妊などが対象になります。

●体外受精
薬などで女性の卵巣を刺激して、卵子を成長させてから吸引します。その後、男性から採取した状態のよい精子を受精させて5~6日ほど培養すると、着床可能な状態に。受精卵(胚)を子宮に戻して着床させます。

●顕微授精
精子の状態が良くない時は顕微授精になる場合があります。体外受精のプロセスで精子と卵子を採取。顕微鏡を見ながら卵子の中に針で精子を入れて確実に授精させます。その後のプロセスは体外受精と同じです。

ともに高度生殖補助医療にあたり保険が適用できず、1回の費用も30万円~60万円と高額になります。

また、高度生殖治療には以下のような副作用が起こる場合があります。

1.多胎妊娠
体外受精治療は、妊娠率を高めるために、2~3個の受精卵を移植します。2段階に分けて移植し、合計3個の良好受精卵を移植した場合、多胎妊娠の確率は双子が40%、3つ子が5%となります。こういった多胎妊娠を避けるために、受精卵は1個の移植が望ましいのでが、この場合妊娠率は20%となってしまいます。

2.子宮外妊娠
体外受精では、通常受精卵を子宮腔に移植します。しかし、子宮と卵管はつながっているため、ごく稀に子宮内に移植した受精卵が卵管に移動することがあります。卵管で動けなくなった受精卵はそのまま卵管に着床、子宮外妊娠となってしまいます。移植の際に注入する培養液の量を減らしたり、模擬胚移植や子宮鏡検査にて移植部分を定めておくことで子宮外妊娠の可能性を低くできますが、100%予防することは困難です。

3.卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
多くの場合、排卵誘発剤を使用して卵を多数発育させる体外受精ですが、この排卵誘発剤を使用することにより、卵巣過剰刺激症候群という症状が副作用として発症するケースがあります。
これは、卵巣が大きく腫れ上がったり腹部に水が溜まる症状で、腹部が膨満し、腹痛や呼吸困難などを引き起こします。腹部の水は2Lに達することもあり、血液の水分がお腹に漏れ溜まる現象なので、脱水状態や血液濃縮が起こることがあります。血液濃縮が起こると尿が出にくくなったり、体重が増加します。採卵後、体重チェックと排尿回数の記録を行うことで、卵巣過剰刺激症候群の発症を早期に診断することができます。