妊活中に摂っておきたい7つの栄養素の働きと効果

鉄

女性が不足しがちな「鉄」。黄体ホルモンの分泌や卵子の質など不妊とも大きな関係がありました

鉄は必須ミネラルの一つで、全身に酸素を供給する役割を担っています。鉄が不足すると、貧血になることは知られていますが、不妊とも大きな関係があります。女性は慢性的に鉄分不足になりやすいので、意識的して摂取する必要が。鉄と不妊の関係などについて調べています。

鉄は生きていくために欠かせない重要な栄養素

鉄は人間の身体に必要な必須ミネラルの一つで、血液と深い関わりがあります。人間の体内には3~4gの鉄があり、そのうち70%が赤血球の色素成分「ヘモグロビン」の材料に。血液とともに全身に酸素を送ったり、血管の中に酸素を取り込みます。残りの30%は、「貯蓄鉄」として肝臓や骨髄などに蓄えられて、鉄分不足の時に血液中に鉄分を放出します。

<鉄の働き>
・全身に酸素を供給する
血液とともに全身を巡り、細胞や臓器に酸素を送り、血管内に酸素を取り込みます。

・活性酸素の除去
活性酸素を除去する酵素「カタラーゼ」、「スーパーオキシドジスムターゼ」には、鉄が含まれています。この酵素により、体の酸化や老化を防ぎます。

・免疫力の向上
鉄分が不足すると、免疫力が低下します。白血球の一種が正常に働かなくなり、侵入してきた細菌を殺菌できなくなってしまいます。

鉄不足が引き起こす様々な症状

鉄そのもの吸収率は悪く、成長期の子供や妊娠中や月経のある女性は鉄不足に陥りがちです。鉄不足の顕著な症状は貧血ですが、身体に充分な酸素が行きわたらなくなるため、動悸、息切れ、食欲不振、倦怠感などの症状が現れます。
通常の食事をしていれば、摂りすぎの心配はありませんが、サプリメントや薬で過剰摂取すると、肝臓や胃腸障害、心筋梗塞などの恐れがあります。

不妊治療の9割が鉄分不足!? 妊娠と鉄分の深い関係

妊娠を望む女性にとって必要な栄養素には、鉄やヨウ素などがあります。女性は生理による出血で多くの鉄分を失っています。さらに無理なダイエットやバランスの悪い食事などで鉄分不足になり、不妊に悩む女性も少なくありません。ある産婦人科医によると、不妊治療を受けている約90%の女性が、鉄分不足だと指摘しています。

<鉄不足が引き起こす不妊の原因>
●黄体ホルモンの分泌量の低下
鉄には黄体ホルモンの分泌を促す働きがあります。黄体ホルモンは女性ホルモンの一つで、不足すると分泌量が減少して不妊に陥りやすくなります。

●卵細胞が育たなくなる
鉄は卵細胞の成長に必要な栄養素で、不足すると卵細胞が正常に育たなくなります。

●卵子の質が低下する
鉄には抗酸化作用があるので、不足すると卵子にダメージを与える活性酸素を除去できなくなり、卵子の質が低下してしまいます。

非ヘム鉄には、排卵性の不妊症リスクを軽減する働きが!

●ヘム鉄と非ヘム鉄の違い
鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、種類によって吸収率が違います。ヘム鉄は、動物性鉄分といわれ、肉・魚などに多く含まれる、吸収率の高い鉄です。非ヘム鉄は植物性鉄分で、野菜・穀物・海藻類に多く含まれ、吸収率はよくありません。妊活中は吸収率のいいヘム鉄を摂取した方がいいといわれるのは、そのためです。

●非ヘム鉄の不妊改善効果を実証!
アメリカのハーバード大学では、ヘム鉄・非ヘム鉄による妊婦への影響を調査し、「非ヘム鉄には排卵異常を防ぎ、不妊症を防ぐ効果がある」と報告しています。

研究では、女性を2つのグループに分け、一方は野菜+サプリメントで鉄を補い、もう片方は動物性食品から鉄を摂取しました。その結果、野菜+サプリメントで非ヘム鉄を多く取ったグループの方が、そうでないグループよりも排卵性の不妊リスクが40%も低いことが分かったといいます。

植物性鉄分(非ヘム鉄)の吸収率はよくありませんが、ビタミンCと一緒に摂ると効率よく吸収されます。とはいえ、妊娠しやすい身体をつくるにはヘム鉄も必要です。食事やサプリメントと上手に取り入れて、バランスよく摂取しましょう。